エレキギターの象徴として、誰もが目にしたことのあるレスポール。その見た目とサウンドは、エレキギターの完成形とも言えます。発売から70年以上を経ていますが、現在に至るまでには様々な出来事がありました。今回はレスポールの誕生から現在までを紹介します。
・レスポール誕生の経緯
きっかけは、あるギタリストの自作のギターでした。ですが、当時のギターとは全く異なる為相手にされませんでした。
その後フェンダーが、世界初の量産型ギターとしてエスクワイヤーを発表。その影響を受け、ギブソンでも開発に乗り出します。
1952年に誕生したそのギターは、考案者の名前にちなんでレスポールと名付けられました。
- レスポール氏はアメリカ出身のジャズギタリスト。本名レスター・ウィリアム・ポルスファス(1915年6月9日 – 2009年8月12日)幼い頃から楽器を演奏し、10代の頃には本格的な音楽活動を開始。1930年頃から「レス・ポール」と名乗り、妻のメリー・フォードと共にデュオを結成。「How High The Moon」は全米1位となりました。
開発にあたっては、試作品を作りレスポール氏に意見を求めながら完成させました。その後完成したレスポールですが、発売当初はゴールドでした。
当時は緑色に変色する事や、今までにないカラーだった為懸念されました。ですが、レスポール氏の希望で実現しました。
1952年製レスポール。現在とは仕様が異なっている。
発売当初は、マディウォーターズやジョンリーフッカーらが使用し知名度をあげました。その後、マイナーチェンジを経て現在の仕様になったのは1958年。カラーも、チェリーサンバーストになりました。その影響により、木目が鮮やかになり現在のレスポールのイメージが定着しました。
・人気の低迷から復活まで
1960年代には、ロックンロールの影響もあり売り上げが低迷します。その後、エリッククラプトン、キースリチャーズらがレスポールを使用し、1968年に生産が再開されます。
70年代に入ると、ジミーペイジ、エースフレーリーらが使用した事により人気が加速しました。80年代に入っても、人気を維持すると思われました。ですが、エディーヴァンヘイレンの登場により、演奏性に特化したギターが流行。レスポールは再び低迷します。
ですが、1987年にデビューしたガンズ&ローゼズにより人気が復活します。要因としては、往年のロックサウンドがあります。ギタリストはスラッシュであり、レスポールを再発掘した一人です。因みに、彼はデビューから30年以上レスポールを愛用しています。
その後、カスタムショップが設立されました。細部に至るまで一流の職人が手がけ、1本100万円以上のギターもあります。
年代により仕様が分かれている、ヒストリックコレクション(通称ヒスコレ)といったシリーズもあります。2018年には破産宣言を行いましたが、ギターについては現在も生産を続けています。
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