YAMAHA PACIFICAの歴史

日本が世界に誇るヤマハの定番機種であり、2024年に新作が発表され話題となっているパシフィカ。

ヤマハのエレキギターは1966年に生産が開始されラインナップも数多く存在します。

パシフィカはその中でも現在まで生産されているロングセラー機種です。

ストラトキャスタータイプの王道デザインでありながら独自の機能を搭載し、ギター歴やジャンルを問わない仕様となっています。

最近では著名ギタリストの使用やアニメの影響もあり、広く知られていますが、今に至るまでに様々なマイナーチェンジを経ています。

今回はそんなパシフィカの歴史を誕生・開発のエピソード・現在から新製品に至るまでと順に紹介します。

①誕生

パシフィカが開発されたのは1990年頃と言われ、ヤマハの海外拠点である当時のYGD(Yamaha Guitar Development)で企画・開発され記念すべき第1作目のモデル名は「PACIFICA912」でした。

YDGは当時ノースハリウッドにあり、そこにはスタジオミュージシャンが数多くいて、彼らの使っているギターをイメージして制作されました。

当時のスタジオミュージシャンが使用していたのは、様々なジャンルに対応するため既存の製品ではなくオーダーメイドのギターでした。

今では工房にオーダーしてギターを作ることは珍しくありませんが、90年代初頭では一部のプロミュージシャンぐらしか行っていませんでした。

海外での開発になった理由としては、海外での知名度を上げる事が目的でした。

当時はハードロック・ヘビーメタルが全盛期と言う事もあり、ハードロック・ヘビーメタル向けのギターが既に国内で人気がありました。

ですが海外ではオーソドックスなギターの人気が高く、そういったニーズに応えるため日本とアメリカの開発チームが二人三脚で開発されました。

この記事を書く為に過去のモデルを調べてみたのですが、今とは全く違う狙いで作られていたようです。

現在の「初めてのギターにオススメ」的なイメージの人には新鮮だし、当時を知る方のブログ等も拝見しましたが完全に高級ギターだったようです。

ヤマハでは初となるアメリカでの製作ということもあり、カタログや雑誌の広告にも海外ギタリストを起用し、海外モデル等も製作されていました。

アメリカのプロギタリスト達が使っていたギターをイメージして開発していただけに、細かいパーツ類ひとつを取っても高級メーカーの製品を採用し、限定の上位機種などもありスペック重視な印象です。

大まかに検索しただけでもかなりの種類があったようですが、現在は生産中止の為入手困難になりプレミアがついているようです。

②開発のエピソード

当時の開発者のインタビューを読むと「常に人気があった訳ではなく浮き沈みはある」とのこと。

開発の際に提案したアイディアが採用されない事等もあったそうですが、基本的な製作に関しては「価格に関わらずきっちり作っていた、スペックに関しても妥協はしていない」との事です。

本来は品質と価格は成り立たないのですが、なぜ実現したのかと云うと主に2つあります。

1つは自社工場があるので、他社では真似のできない細かい仕様を試したりコストを正確に把握することが可能だった点。

2つ目はピアノや管楽器など総合的に手掛けているブランドのため、様々な分野の専門家がおり今までの経験をギター作りに活かす事ができた。

以上の点があり効率よく作業ができる環境なので品質にこだわりながらも、お手頃な価格で販売することが可能になりました。

他の機種にも言えることですが、ヤマハのギターは多彩な音色や汎用性を重視しており、様々なジャンルのギタリストに使用されていました。

別モデルにはなりますがB’zの松本孝弘氏も以前はヤマハのギターを使用しており、生産が終了した現在でも人気があります。

③現在のイメージから新製品

パシフィカといえば初めてのギターにオススメといった印象を持つ方も多いと思います。

そんなイメージを確立したのが、1995年に発売された現行モデル。

その後2008年に現在の仕様になり、大きく分けて3種類のグレードが存在します。

その他にピックアップと言われるマイク部分が違っているものや左利きのモデルもありますが、基本的な木材は全てのシリーズ共通です。

また、現行シリーズの上位グレードである612シリーズは楽器店大賞2021のエレキギター部門で大賞を受賞しています。

なぜ現在のイメージなったのかと言えば諸説ありますが、個人的にはギタリストの鈴木健治氏の影響かと思います。

「プロギタリストが6万円台のヤマハパシフィカを使う理由を語りフェンダーとくらべる」と言ったタイトルの動画です。

「若い子達のギターを始める敷居を下げたい」と仰っているのが印象的でした。

プロギタリストが6万円台のヤマハ#パシフィカ を使う理由を語りFenderと弾き比べる。

更に人気を加速させたのがアニメ「ぼっちざろっく」でしょう。

主人公後藤ひとりがパシフィカを使用し本人のモデルなどもリリースされたことにより品薄になってしまったようです。

気になる新製品ですが、「スタンダードプラス」・「プロフェッショナルシリーズ」の2種類になり、プロフェッショナルシリーズについては日本製との事です。

見た目に関しての大幅な変更は無いものの、ギターサウンドに大きく影響する部分について設計を見直し、自社で開発したパーツなどを取り入れるといったこだわりようです。

演奏性に影響する部分についても、最近のハイエンドギターに搭載される機能を採用し引きやすさが向上しています。

カラーについても今までにない鮮やかなカラーがとなっており、シティポップをイメージして選ばれたとのことです。

       


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