今回は、エレキギターの定番機種である「レスポール」と「ストラトキャスター」について比較しました。すでに2本とも所有されている方もいるかと思いますが、今回はこれからギターを始めたい方に向けて比較しました。この記事では両者の音色や、構造などの違いを紹介していきます。
本題に入る前に、なぜこの2本を取り上げたのかと言うと、現在のエレキギターのお手本になっているからです。
補足としてそれぞれのギターの歴史を簡単に紹介したいと思います。
レスポール
1952年に、アメリカのギターメーカーである「ギブソン」から発売されました。その後、幾度かのマイナーチェンジを経て現在の形になったのが1958年頃と言われています。レスポールを愛用しているギタリストには、「レッド・ツェッペリン」の「ジミー・ペイジ」や「ガンス&ローゼス」の「スラッシュ」などがいます。日本では、「B’z」の「松本孝弘」氏が長年愛用していることで知られています。
ストラトキャスター
1954年にアメリカのギターメーカーである、「フェンダー」から発売されました。現在では「ストラト」の愛称で親しまれ、様々なジャンルのギタリストに愛用されています。ストラトを愛用しているギタリストは、「エリック・クラプトン」や「ジェフ・ベック」などがいます。
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以上が両ギターのざっくりとした紹介になります。さらに詳しく知りたい方は、下記の記事も読んでいただければと思います。
音の違い
前提としてエレキギターは、同じギターであっても接続するアンプや機材によって音色が異なることがあります。ですがざっくりした表現だと、レスポール=太い音 ストラト=シャープな音となります。ですのでギターを選ぶ際には、自分の好きなギタリストの音色に近い方を選ぶと良いでしょう。
構造の違い
レスポールとストラトキャスターの違いは、主に以下の3つになります。
①ピックアップ
「ピックアップ」とはギターに搭載されているマイクのような物で、ここで拾った音がアンプを通して鳴らす仕組みになっています。「ピックアップ」には大きく分けて、「シングルコイル」と「ハムバッカー」の2種類があります。
1部例外もありますが、基本的にはレスポールにはハムバッカー。ストラトキャスターにはシングルコイルが搭載されています。そして、音色についてはハムバッカーは太く伸びのある音色。シングルコイルがシャープで硬い音色といった傾向があります。
デメリットとしては、ハムバッカーは音がこもってしまうことがあり、シングルコイルはノイズが出やすいためアンプの設定に注意が必要です。
②ネックジョイント
「ネックジョイント」とは、ボディーとネックのつなぎめの事です。接続の方法にもいくつか種類がありますが、代表的な方法としてボルトオンとセットネックがあります。レスポールであればセットネックであり、ストラトキャスターであればボルトオンとなっているのが通常です(1部例外もあります)
「ボルトオン」とはネジで接続する方法であり、「デタッチャブル」とも呼ばれ、歯切れの良い音が出る傾向があります。「セットネック」とは接着剤で接続する方法であり、「ボルトオン」とは対照的に太い音になる傾向があります。
③スケール
「スケール」とは、弦が張ってある部分の長さのことです。3種類の長さがありそれぞれ、ロング ミディアム ショートとなっています。レスポールであれば、ミディアムスケール。ストラトキャスターであれば、ロングスケールとなっています。
ロングスケールになると、弦のテンション感(張力)が強くなりコードを弾いた際に力強く響きますが慣れるまでは押さえるのに苦労します。反対にミディアムスケールであれば、弦のテンション感が抑えられるのでビブラートなどが掛けやすくなります。
スイッチ類
エレキギターはピックアップと呼ばれるマイクから音を拾う仕組みになっていることは既に紹介しましたが、ピックアップを切り替える事によって音色を変化させる事も可能です。
ストラトキャスターはギターを持った際に右手の辺りにスイッチがありますが、レスポールは左手に近い位置にあります。また、ストラトキャスターは5種類の切り替えが可能ですが、レスポールは3種類となっています。ですが、音色が多ければ良いと言うものでもなくコレは好みの問題かと思います。
ノブ
ノブとは、音量や音質を調整するレバーの事です。画像1はレスポールで画像2はストラトキャスターですが、それぞれ丸いつまみが付いているのが見えるかと思います。レスポールは各ピックアップにそれぞれノブがあり、ストラトキャスターは3つになっています。
ブリッジ
ブリッジとは、弦を通す部分の事です。ストラトキャスターは裏側から弦を通す仕様になっており、レスポールは表からとなっています。この違いは演奏性やサウンド、調整のしやすさなどにも影響する部分であり好みが分かれるところです。
ヘッド
ヘッドとはギターの先端部分であり、ここに付いているペグと呼ばれる器具でチューニングを行います。ストラトキャスターが、片側に並んでいるのに対してレスポールは3つずつ分かれいるのが特徴です。また弦を通す方法も異なっています。
画像1がレスポール、2がストラトキャスターのヘッド部分です。レスポールは横から弦を
その他の違い
上の画像はストラトキャスターですが、どちらもカーブを描くようになっているのがわかるかと思います。これはコンター加工と呼ばれ、演奏する際により体にフィットするようにするための工夫です。これはレスポールにはなく、フェンダー社がストラトキャスターを開発した際に取り入れられた技術です。※レスポールも近年のモデルでは1部採用されています。
画像1と2はどちらもストラトキャスターですが、画像1は金属の棒が付いているのが見えるかと思います。これはトレモロアームと呼ばれ、音を揺らす事のできる道具です。画像2は裏側の様子ですが、このようにバネによって音が揺らぐ仕組みになっています。※近年のギブソンや他のメーカーのレスポールには、トレモロが付いているモデルもあります。
まとめ
以上の点を踏まえてそれぞれのギターの特徴をまとめると以下のようになります。
ストラトキャスター
ピックアップ:シングルコイル
ネックジョイント:ボルトオン
スケール:ロングスケール
ピックアップセレクター:5WAY
トレモロアーム:あり※1部例外もあり
コンター加工:あり
サウンド:シャープで歯切れの良い音になるがノイズが出やすいのが特徴
レスポール
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